その時、流依の背後に幹彦が立った。


「俺は、黒須の事が好きだ…」


「え…?」


流依が、幹彦の方を振り返る。


すると、幹彦は頬を赤らめながら俯いた。


「木下、今の本気かい?」


流依が、幹彦の顔を覗き込む。


「えっ?」


いきなり、幹彦に抱き締められて、流依が戸惑っている。


「これで、俺が本気なの分かったか?」


頬を赤らめながら、幹彦が訊ねる。


「うん…」


同じく、顔を真っ赤にしながら、幹彦の背中に手を回して流依が頷いた。