諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



差し出された接着剤に手を伸ばすも溝出は止まる。


それを見た渉が優しく溝出の手に接着剤を持たせて、そのまま両手で、親指と人差し指の第一関節が入れ替わっている骨手を包み込んだ。


「早く良くなってください」


渉の両手が離された後でも、溝出の手には温もりとアロンア〇ファが残る。


「うっ、うっ、おれっ、さんざんてめえに絡んだのに、やさっ、優しくしてくれるだなんて、反則じゃねえか……っ」


「それでも僕は溝出さんのこと嫌っているわけではありませんから」


「わたるんんんんっ!」


「渉です」


訂正を聞かない溝出が渉に愛の抱擁をしようとし――


「どーん!」


とある衝撃が背中にクリティカルヒットした。


「げぶっ」


「がらがらがらぁ」


効果音をわざわざ口にするらしく、ガムテープで何とか原型を保っていた背骨や肋骨たちが廊下に散らばる。