諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



(六)


小話をすれば、渉という存在自体が都市伝説じゃないのか、という噂もあった。

何を馬鹿なと冷静に考えれば吐き捨てられるが、学校という広いようでいて狭い世間(枠内)では一風変わった噂が流行るもの。


口承というのは人から人へと移る風邪みたいなものだ。流行れば流行ったで、治るのも早い。一時のブームにしても、ふと思い出したように語られる話ネタとして存命はするだろう。


その中の、渉が都市伝説について当の人は否定もせずに逆にどのように噂が独り歩きをするのだろうとあえて黙認をしていた。


結果として、渉が都市伝説と謳われるのは、あまり学校にいないのとその格好のせいだった。


もっと言えば、人間らしさがないと機械的な渉に“曖昧さ”を感じて、そんな噂が出回ったのだろう。