諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



「あ、あ……っ、ちがっ」


こびりつく死への連想を否定する。


「ちがっ、こ、こんなのっ、俺、は……!」


――ここで死ぬのか?


「ばっ、やめ!違うって、間違いだって、いって……っ」


ポロリと欠けた骨で眼窩が醜く広くなる。阿行の面も大きくズレようとしていた。


「嘘なんだろっ、なあ!俺をからかっているだけなんだよなっ、わるっ、悪かったから、もう、やめっ!」


否定をしても止まらない。


決壊したダムに際限なく水が流れ込むように、溝出の中が死で満たされ、何もかもが黒くさえ見えたのに。


闇の中、白いお面を外した阿行だけが見えて。