諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



ここまでなら天神にいる阿行の話かと思えたが、渉の話はまだ続く。


「その“何か”は言います。『あぎょうさん、さぎょうご、いかに』もちろん、何のことか分からない生徒は黙ったままでしたが、それがいけなかった。

夕暮れ時の廊下、答えられなかった生徒は“何か”に食べられ、次の日、廊下には生徒の制服だけがあったとか」


引く血の気なんかないのに青ざめた気分を溝出は味わう。


その話は紛れもない今の状態に当てはまるのだから気が気ではない。


「お、おい、まさか、こいつ……!」


「当初は遅くまで居残る生徒を怖がらせる都市伝説と見ていましたが、『人におぶさる阿行さん』という存在がこの学園に現れたので今まで調べていた次第です」


ただ、と渉は手帳を捲りながら、今までの成果を思い出す。