諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



「分かれっ、たすけ……っ」


「あぎょうさん、さぎょうご、いかに」

「そうっそうっ、これだっ、これなんだよっ!だから助けやがってくださいませ、わたるんさまあぁぁ!」


溝出の話は分からないが阿行の様子がおかしいことは分かった。


いつもと違う。
こうして渉が近くにいても溝出にしか意識を向けておらず。


「あぎょうさん、さぎょうご、いかに」


規則的に言葉を出す。

阿行の声が徐々に低くなっていき、まるでカウントダウンでも刻んでいるよう。


普通なら溝出でなくとも阿行の変わりぶりに見たものは悲鳴でもあげそうだが。


「これは興味深いですね」


すちゃっと左手に手帳を右手にペンをで観察する気満々だった。