「おっしゃあぁっ、俺幸せ編突入だあぁ!」
頭だけでケタケタ笑う溝出。この勢いならば憎きサドを倒せる気さえしてきた。
そのためにも一度バラバラになった体を組み立てようと溝出は頭のみで動こうとするが、阿行の胸が重みで固定する。
おいおい、離したくねえってか。しゃあーねえな、てめえの深い谷間にすっぽり埋まってやんよおぉ。と軽口を叩けるはずだった。
あったのは言葉が詰まるほどの寒気。
阿行の顔――白いお面を見た瞬間に、一気に辺りの気温が下がったように思えた。
――違う。
そう断言できるのに、コレは紛れもない阿行なんだ。
あの無邪気で明るい女の子のはずが、どうしてこうも『怖い』と思えるのか。


