諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



背中に重み。
のしかかれた衝撃を察するに天井ギリギリから落ちてきたか、溝出の背骨が折れ、軸をなくした肋骨もろもろがバラバラと崩れた。


床につく頭。
その上に、なにかどっさりと――


「お、おっ」


もっちりとした感触が頭蓋骨に当たる。

床に押し付けられ苦しくとも、いやむしろもっと押し付けてと言いたくなるこの弾力。


柔らかい、なのに低反発枕のようにハリがある神が産みたもう人類の傑作。


「ヒャアアァァっ」


それは、歓喜。


おんぶには失敗したものの、のしかかる――頭だけを包み込むこの至福は他の男子たちと分かち合いたいと思えるほど優しい気持ちになれる、温かな幸福。


念願叶って、阿行が溝出に乗っかったのだった。