諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



気になり近づく渉たちを冬月は愛想良く迎えた。溝出を掴む手は鬼のようでも。


「巫女服きれー」


「姉さんとお揃いなんどすえ、これ」


「冬月君の性別は、今まで男性着物を着ていたから男と見る人が多かったですが、ここまで完璧に巫女服を着こなすとあっては、また議論されるでしょうね」


誰がやる議論だ、と言う人はいなかった。


しかして性別不明の冬月がこんな格好をすれば、ますます謎となろう。


「姉さんとお揃いと言いましたが、冬月君にお姉さんいましたか?」


「血の繋がりはないどすえ。けど、僕と姉さんは一心同体の絆を持ってますわ。こうして同じ格好と髪型すれば、姉さんの写し身そのもの。

顔は兄さんと違っておんなじやないけど、狐面すれば変わりはないんどすえ」