諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



狐面に影ができるようで威圧感たっぷり、ご立腹な冬月参上であった。


いやいやとせめて頭だけで逃げようとする溝出だが、りんごを潰すかのような手が離してはくれない。


「まっ、ちがっ!」


「何が違いますん?あんさんが僕を襲ったのは紛れもない事実やないの」


「み、巫女だとっ、ふゆっ、ふゆつきだなんてっ、わかっ、なっ……!」


テンパる溝出には言語翻訳機が必要だった。


「わあ、巫女さんがいるよー」


「あれ、冬月君ですか?」


溝出の修羅場に遭遇したのは渉と阿行。

四日連続のおんぶペアはもう見慣れたものだった。


「いつもと感じが違いますね」


男性着物が巫女服となれば感じどころかジャンル自体が違うだろうに。