も、もうやめてくれ溝出。それ以上、恥を晒すなんて、見ているこちらが哀れみの涙を出してしまうから。
なんて言っても、所詮バカは治らないものなので溝出はこれからもこうなのだろう。
そろそろ来るなと溝出の声がなくなる。スパイ映画さながらに天井に貼り付いてはいるが、もともと浮遊はできるので楽なものだった。
溝出のとーけー学というのが正しいかは知らないが――階段を誰かが降りる足音がしてきた。
ぺたぺた。
公害が天井に貼り付いているとも知らずにこちらに来る誰か。
階段を降り、踊り場から廊下へ。
自身の思惑通りに進むことにテンションあげーになる溝出が、いざ行かんと構えたとき――止まる。


