『発想の逆転ですよ』
その時の衝撃は思い出しただけで身震いをする。
雷が落ちたごとくの衝撃同様に溝出は閃いたのだ。
おんぶしようとするから失敗する。そこで発想を逆転させれば。
――そう、ならば、つまり。
「俺があのろりっ子におぶさってやらあぁぁ!」
もう――訳が分からないよ。
それ意味ねえじゃんっ、とツッコミを入れた人は多いことだろう。
阿行をおんぶすれば幸せが、何故か奪えないからと、溝出自身がおぶさろうというこの発想。
発想の逆転どころか、発想の破滅だ。
ここまで来ると溝出のバカぶりに同情さえも覚えてくるというのに。
「ヒィハハ、こうして隠れて上から飛び付いてやんぜえ。一生離れないでやらあ!」


