諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



そう、出てきた瞬間に頭頂部を殴られた。拳ではなく、それよりももっと固いもの。


溝出には覚えがあった。この感触、この感覚、この加減の知らなさ。



「何してるんどすえ、ザコキャラ」




魔王、降臨。


「ひいぃぃぃっ」


「逃げんときぃ、腰掛け妖怪」


あまりの恐怖に肋骨たちを置いて頭だけで逃げようとした溝出だったが、それを踏まれてしまった。


ぐりぐりと圧力と重みをより加えるためにかかとに力を入れる生粋のサド属性。


源冬月。
溝出いびり選手権で優勝できよう、サドの化身だった。


魔王と言ったが、それはあくまでも溝出が見た冬月の姿。


他が見れば害意ない人と思えるが、一風変わっているとのレッテルはつけられるだろう。