諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



足音が葛籠の前で止まる。(笑)をつけたくなる溝出の計算によれば、止まってから五秒後がベスト。

何のベストかと言えば、葛籠の蓋を開けようと腰をかがめるので驚かしたらより尻餅をつきやすくなる状態と、なんともみみっちい考えだった。


ヒャッハーかヒャッハアァァで迷うリミットはもうない。


びっくり箱よろしく、空にジュワッチするぐらいの勢いで溝出が飛び出て――


「ヒャッハアァァ――がぎゃっ!」


頭が床に叩きつけられた。


顔面着地のために鼻の骨にヒビが入るもそれ以上に深刻なのは頭頂部が欠けたこと。


言うならば頭頂部の方がダメージが酷かったのだ。