葛籠である。
昔話に出てきそうな大きな葛籠。
高級なのか編み込まれた竹に隙間はなく、職人の手による一級品に見える。
光沢もなかなかに、中身はさぞや立派な宝が眠っているに違いない。
(ヒャッハー、俺の思惑通りに葛籠を開けたくなってんだろおぉ!まあ、ある意味、宝だしなぁ。生きた世界遺産とは正に俺のことだぜえ)
心情でもうざったい溝出だった。
お分かりいただけたかと思うが葛籠の中身は溝出。
昨日一昨日と阿行強奪を失敗したからこそ、溝出は趣向を変えたのだ。
(ヒィハハ、開けようとした瞬間に飛び出てやんよ。驚いて尻餅つきやがれっ。そうすりゃあ、おぶさるろりっ子はあのガキから落ちる。そこですかさず俺がげっとだぜっを決めれば完璧!)


