諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



「五枚も貰えるなんて良かったですね」


もう重力無視して乗っかる阿行を支えなくていいかと渉は無料券を受け取った。


真っ先に使用期限を確かめるのは渉らしい。


「わたるん一個で、私が四個」


「四個も食べるんですか」


「じゃあ、わたるん二個で私が三個」


「少ないとごねたわけじゃありませんよ。一気に食べるとお腹を壊しますからやめた方が」


「限界への挑戦!」


「何と戦っているんですか」


話ながらも渉は校舎から出ようと歩いている。


お決まりのこのパターン。一階の廊下に差し掛かって、渉は思わず足を止めた。


廊下の真ん中。不自然なほどに、違和感さいきょーを携えた物体が置かれてあった。