諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



絶妙なバランスを保つ渉の人付き合い。良識人に恵まれたのは渉にとって自慢すべきであろう。


もともと天神学園に悪者という人はなかなかいない。いたとすれば教師陣やら生徒会が速やかに“対処”をする。


それは世にも恐ろしい、口にするだけで発狂する対処であると噂されたりもするが。


「かいちょーにおぶさろうとしたら……」


わなわなとガクブルを混ぜた、北極と南極が一気にきたような震えと怯えを阿行は語る。


「後ろからこっそり乗ろうとしたんだけど……こっちを向かずに、『私におぶさるのは構いませんが、覚悟はよろしくて?』だなんて、ガクブルガクブル」


「それは……災難でしたね」


阿行の自業自得。生徒会長の“おたわむれ”にしてもトラウマになりつつあるようだ。