「はっ、お仕置きだあ?逆に俺がそいつをのしてやんよぉ」
「大口叩くのは結構ですが、新しく来た用務員さんをあまり舐めない方がいいかと思いますが」
「かーっ、用務員だなんて、どうせよぼよぼジジイなんだろお、こわかねえぜえ」
「厳格な優しい無口な小岩井さんですが、窓を割ったのに謝りも反省もしないあなたを見たら何をするか。――世にも恐ろしいことが起こっても知りませんよ」
「な、なにを……」
渉の雰囲気に呑まれた溝出がどもる。
また強気でいれば良いというのに、渉の話口調が予期せぬ不安を運んでくる。
見えないながらも確実な要素(不安)がぎすぎすと骨に染み込んでいくよう。
「今すぐ謝りにいくべきです。でなければ、あなたは――見てはいけない恐怖(もの)を見てしまう」


