諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



ともかくも顔の筋肉がないので表情なんかあの骨に作れるはずがないのに、溝出が相当なショックを受けているのが何故だか分かった。


「骨だから乗ったら痛そうだし、気持ちよくもないし、正直、気持ち悪い」


無邪気な素直が溝出に見えない刃を突き刺していく。


その度にオーバーリアクションをして、ボロボロと肋骨が涙のように落ちていった。


「き、気持ち悪いって……冬月にも、言われたこと、ねえのに……」


廊下に項垂れる頭。
夕日のグラウンドにあるサッカーボールのように哀愁を感じさせた。


「しゅーっと!」


そんなことは知らないよーっと、哀愁部分を感じなかった阿行が溝出頭を蹴り飛ばす。


阿行も歩けるんだとそちらに注目した渉は早速手帳に書き込み、ついでにキック力ありとも付け加えた。