諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



ぐっと骨手を握り気合いを入れる溝出は、よほど酷い毎日を送ってきたのだろう。


「阿行さん、あちらの方があなたをおんぶしたいと言ってますよ」


「んー」


阿行の性格上、おんぶしたいと願う人を無視したりなどしない。


もとより、誰かの背中に乗るのが好きなのだ。体格容姿問わず、自由気ままに阿行は大概の生徒教師におぶさっている。


「こいやあぁっ、俺に幸せを届けやがれっ!なんならおんぶ紐つけてやってもいいぜぇ?」


「骨だからイヤ」


おいたわしや、告白して拒絶された甘酸っぱくも苦い気持ちが溝出の精神にボディーブローを決め込んだ。


ガーン、の文字をバックに飾るような。溝出にかけて言えばガボーンと……いや、うまくないからやめよう。