諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



無視を決め込むも、溝出は行かせてはくれない。何がそんなにまで骨を奮い立たせるか興味が出るほどでもあった。


「いったい何なんですか、溝出さん。僕に何か用ですか」


「野郎なんか用はねえよ、自惚れんじゃねえ!びーえるの流行りに俺は惑わされねえぜえ!」


「はあ、そうですか……」


ならば渉がおんぶしている阿行に用があるのだろう。


この間にも、隙ありっと溝出チョップが放たれたが先ほどと同じく床に叩きつけていた。


「ぐおおっ、な、なんだ、てめえっ、えすぱーかっ」


「いえ、まあ……、僕は誰にも傷つけられないようになっているんで」


加護というよりは呪い。定められた命日外で死ぬことがないように込められた一種の呪詛だったりするが、溝出が知るよしもなかった。