諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



「あ、この醤油さしの中身、墨汁ですね」


「ええ゛ぇぇぇぇっ!」


まさかの早期発見には、驚きの上位にあるようなぶったまげたで表現してしまう溝出。


「ちょっ、ちょおぉ!なんで分かんだよ、わたるんんん!」


「渉です。――強いて言えば、普通の人より目はいいんで」


「ふっざけんなあぁっ。中二的言葉出して流すんじゃねえよ、このガキャア!」


完璧な策を崩された八つ当たりで溝出(頭)が渉の顔面に突撃しようにも、何故か途中で重力が倍になったかのように直角に落ちた。


叩きつけた鼻から蜘蛛の巣らしい亀裂が入る。


「ふっ、うおぉ……!」


「一日目に僕は傷つけられないと学んだかと思ったんですが」


三歩歩いて忘れたらしい。