諦めないで、幸せを求めて噛ませ犬になろうとも



「そ、そうだっ。俺はお前に弁当を届けに来たんだよ!昼飯食えずに、午後の授業で腹が鳴るか鳴らないかを気にする修羅場からお前を救うべくっ、こうして持ってきてやったんだよおぉ!」


その視線を見逃さなかった溝出が、妙なそれでいて嫌に現実的な話を用いて助けを求めた。


恩人にこれ以上、暴力は与えないだろうと溝出は高を括ってもいたのに。


「なんで、あんさんが……兄さんやなくて、ザコキャラが弁当持ってくるん?」

がしっと、右手だけでなく左手までもが溝出の頭を掌握し始めた。


プレス機のように尋常ではない力は、こめかみから骨をみしみし言わす。


「なっ、まっ……!忘れたから届けに来たんだぞ!ガムテープで補強してまでよぉ!」