翔は怖い顔で歩き始めた。

ねぇ…翔?

何を隠してるの?

過去を持ってるの?

ねぇ………翔?

「気にしないで。今は好きな奴が出来たから。」

翔は優しい声で呟いた。

「俺は………人に勘違いさせて悲しい思いをさせたことがある。人を好きになることが出来なかったんだ。」

ゆっくりと歩きながら話し始めた翔。

「たくさんの女を家に呼んでは雑用させて…捨てた。」

「っ……。」

「だからそれを見てた茜さんは俺が嫌いなんだ。本間さん…てか本間先生…だな。本間さんは中学の時の担任で…。」

「そうなんだ…。」

「俺は…人に勘違いさせた。傷つけた。…でも」

近付いてくる翔。

「もう…しないから。」