コウガが賛成したことに、シキは何も言わなかった。

なのでマカは話を進める。

「今、サイトで話題になっている都市伝説がある。午前0時にしかアクセスできないサイトがあり、そこには1つの小説がある。それを読んだ者の元へ、作者が現れるという話だ」

画面向こうのコウガはふと顔をしかめ、腕を組んだ。

「…ああ、聞いたことあるな。ちょっとした騒ぎにもなっているらしい」

「でな。今現在、私の元にはその作者が来ている」

「ええっ!? だってその作者って当に死んでいて、眼を付けられた読者は小説に出てくる死に方をして亡くなるって話だよ?」

「みたいだな。だがそんなの私には効くはずないだろう?」

眼を丸くするコウガとは反対に、マカはけろっと言った。