『…生前?』

ふととんでもない言葉を聞いたような…。

「ああ。アイツらも死んでいる。死後何年経過しているかは知らんが、まあ近年の話だろう」

肉体は無いはずなのに、血の気が下がっていく感じがする。

『えっと……じゃあ、あの二人って…』

「死んでから『携帯彼氏』という存在になって、そっからウチの眷属なったモノだ。今では普通の人間と同じように行動できる」

携帯彼氏…ちょっと聞き覚えがあるかも。

でも彼等がそういう存在だとすれば…。

『マカ、あなたは普通の人間ではないのね?』

僅かに顔をしかめながら尋ねると、マカは首をかしげて見せた。

「今気付いたのか? 出会った最初に気付かれていると思ったのに」