黒い髪に黒い瞳、メガネをかけていて、身長が高い。

真面目な雰囲気は、ハズミという青年の華やかな雰囲気とは全く正反対。

『あの、アイスティーをどうぞ』

グラスを2つ、トレーに載せて、わたしは二人に話しかけた。

二人は同時に振り向き、わたしを見て眼を丸くした。

「わっ! マカ、またこういうのに憑かれたの?」

「―お前がそれを言うか? 『携帯彼氏』よ」

「うぐっ…!」

ハズミは胸元をおさえ、その場にうずくまった。

代わりにマミヤがマカに問いかける。

「でもマカ、彼女は一体…」

「サイトで評判になっている小説の話、聞いたことないか?」

「…読んだ人間が不審な死に方をするってアレ?」