マカは眼をスっと細めた。

「お前達、贄になった者の中に能力者がいないことは分かった。だが、お前達が死に追い詰めた人間には、あったんじゃないか?」

「あっ!」

マカに言われて、わたしは思い出す。

「…確かに、わたしは出会った人が普通か、普通じゃないかの見分けがつくわ」

マカの時も、あのリリスってコの時も、わたしは無自覚ながら、気付いていた。

普通の人間じゃないってことを。

何で不思議に思わなかったんだろう?

「なら、普通じゃない人間の元へ行った回数は多かったか?」

「…ええ。多かったわ」

何で分かるのかまでは分からない。

けれど確かに、普通じゃない力を持つ人間は分かったのだ。

実際、その力を見たワケでも、教えられたワケでもないのに…。

「…じゃあわたしは、能力者の元に運ばれていたってこと?」