「周涅ちゃんの術を…
抜けきれる人間がいたなんてね…」
ああ――
判る。
この気は――!!!
「だから言ったろうが、しぶといって。それを信じなかったのは誰だ?」
「ははは。こりゃあいい。楽しみだ」
残虐に満ちた笑い声が響き渡る。
来ないで下さい。
どうか、どうか!!!
櫂様――!!!
周涅は指の骨を鳴らしながら、広間の1点に赴き、
「お手並み拝見!!!」
拳を突き出した。
同時に…空間が揺らめき、外郭を作る。
ガシィィッ!!!
骨と骨がぶつかるような、物理的衝突音。
「へえ……
受け止めるんだ、『気高き獅子』…」
周涅の手を腕で押さえたのは、
「お前が――周涅か?」
櫂様、だった。

