「!!!?」


キ、キスッッ!!?


何度も何度も角度を変えて、熱い唇が触れてくる。

真上から…何度も何度も降り注ぐ。


「ああ…やっぱり…。目の前にあれば…食べたくなるね」


漏れ聞こえた…切ないような熱い吐息と、

熱の籠もった鳶色の瞳に…


くらくら、くらくら目眩がして。


身動きとれなくなった。



「食べたくてたまらない…よ…

どうしようもなく…」


耳元で囁かれ…耳朶を甘噛みされた。


「や…んっっ!!」


思わず反射的に身を反らして、駆け抜ける甘い痺れに耐えれば…


「甘いね…僕のお姫様…」


くすりとした微かな笑いの直後、わざとらしいくらいのリップ音を響かせ、玲くんの舌は耳からなぞるように唇に戻ってくる。


「ひ、ゃん…」


啄むようなキス。

途中、甘噛みされ、舐められる下唇。


焦れったいような動きが、玲くんの"迷い"を感じさせた。

それ以上進むことに、躊躇っているような…。


「れ、……玲…くん…」

玲くんの熱に息苦しくて、目を薄く開けて玲くんを見つめれば。


玲くんは綺麗な鳶色の瞳を向けていて、僅かに…苦しげに細める。


「ああ、甘いよね、本当に……」


ああ、玲くんは…"玲くん"とは違う。


"玲くん"にはない艶色が凄まじく。


妖しく匂い立つ。


「ねえ…

もっと中で…蕩かしても…いい?」


喘ぐような声が聞こえたと思ったら…


「ごめん…僕、もう…周り、見えない…」


唇を割るように、強い舌が――



「そこまでは許可せん!!!


甘いだけで我慢しろ!!!」



あたしから、離れていった。


漆黒の男に、襟首掴まれて。