我慢…しようとは、思ったんだ。
俺がしでかした玲の"我慢"の苦痛はこんなものではないと、だから俺も耐えようと…
だけど無理だった。
駄目だった。
俺だって芹霞を諦められない。
俺が生きている限りは、芹霞を誰にもやりたくない。
それが例え玲でも――。
気づけば身体が動いていた。
それ以上の行為をさせたくなかった。
俺が、耐えられなかったんだ。
芹霞という存在。
芹霞を手に入れる為に必要な"次期当主"。
それ以外なら…
俺という身体でいいのなら、何処までもお前にくれてやる。
だから…玲の全てを俺に向けろ。
俺は受け止める。
それがせめてもの懺悔、償いだ。
それが俺のやり方…だから。
「いやああああ、玲くん、やめて!!!」
玲の拳が俺の頬に入る。
受け身を取らない俺の身体は簡単に転がった。
「……へえ、何。抵抗しない気?」
何処までも残忍な笑いを浮かべる端麗な顔。
「俺でいいなら、いくらでも叩き潰せ。
再起不能にしてもいい。
だけど…芹霞だけは手を出すな」
「だからさ…」
玲は身を屈んで俺に微笑みかけた。
「芹霞はお前のものじゃないって言ってんだろ!!!?」
ドガアアアアッッ
立ち上がった玲に、俺は鳩尾を蹴られ…思わず吐いた唾には、血が混ざっていて。
その痛みは、玲の本気が感じられた。

