「煌が…言ってた、蒼生ちゃんそっくりの奴!!!?」
瓜二つ…そんな単語では生易しい。
笑わない…酷薄な氷皇の顔つき。
確かな力は感じるのに…気配がない。
そして――
「制裁者(アリス)の服だ!!!」
全貌が露わになると、芹霞が俺の首筋にきゅっと手を回した。
判る。
判るんだ。
この男…
凄い強さだ。
俺は芹霞を抱く腕に力を込める。
男は、一定距離で足をとめ、冷ややかな…銀の双眸で俺を見つめた。
そこからは一切の感情が見られなく。
俺の中で、警鐘が鳴り響く。
自ずと身に纏う闇の力。
対抗出来るのは、俺が極力押さえ込んでいた…この力に頼るしかない。
だが――
芹霞抱えて、この男と対戦するには…分が悪すぎる。
どうする?
逃げるか?
保健室に逃げ込むか?
そんな時。
「何、何の音!!!?」
何かが爆発するような音が聞こえて。
その方角は…
「保健室に…誰を放った!!!?」
俺は、目の前の男に聞く。
男は、薄い唇を…ゆっくりと持ち上げた。
まるで悪魔のように、美しい顔で。
「――…紅皇…」
俺は舌打ちした。

