「最期の面倒は…見てやる。


だから…隠せよ。


絶対、櫂様や玲様…芹霞さんに悟られるな!!!」



私は――


それしか言えなくて。




「さんきゅ」



縋るように、倒れるように、私の肩にもたれ掛ってきた煌。



小心者のこの男。


体内から出たコレに、さぞかし不安でたまらないくせして。


見ている私でさえ気持ち悪いのに。



「俺は、お前のそういう…面倒見いいトコ好きだ」


「私は嫌いだ」



だけど煌は笑う。


どこまでも笑う。


余裕ぶりながら、小刻みに震えて。



「OK。少し落ち着いてきた。櫂達のトコ行こう。


外界は…すげえことになっている」



煌を仲間だと思えばこそ。


結界力を強化した要塞の中で、煌の存在を許した私。



情けをかけたその結果が、


吉と出るか凶とでるのか――



私には、判らなかった。



判りたくもなかった。