「なあ…芹霞。 俺が… 俺がもしも――…」 口が、続きを言えない。 俺の想いが、先を許さない。 俺は…振り切った。 「もしも。 俺の切り札が、失敗に終わったら。 もうお前に…何も言えなくなる前に」 俺は…笑った。 「お前を… 誰よりも幸せにしたかった」 震える声が、風に乗る。 冷たい風が…俺と芹霞の間を通り抜ける。 「本当に…そう思っていた。 12年間ずっと。 俺が…幸せにしたかった」 12年間分の想いを吐き出すように。 静かに―― 深く――。