**********




上岐妙の主張を正しいとすれば、根幹としては…


・黄幡一縷が殺されて、幽霊になっている。

・その一縷の幽霊に取り憑かれて、見ず知らずの女生徒を殺している


尚追加情報を付け加えれば…


・上岐妙と黄幡一縷は幼馴染で、女王様のような一縷に上岐妙が憎悪をもっていたらしい、こと。


・一縷は魔眼というもので人を惑わす…魔女であったこと。



その条件下において、櫂が判断して言ったのは…


上岐妙に殺された一縷が、目の前に居る女。


桜ちゃんの裂岩糸によって縛り上げられ、痙攣直後に気絶してしまっている。



全く、判らない。


「だって一縷は殺されているんでしょう!?」


「ああ、上岐妙に」


「じゃあこの人誰よ」


「だから、黄幡一縷だ」



ああ――


こんなもどかしい堂々巡り。



小猿くんがいたら、キーキーキーキー叫んでいたに違いない。




「じゃあ桜華の猟奇事件の犯人は?」

「一縷に取り憑かれた上岐妙」


「じゃあこの人は?」


「だから、黄幡一縷だ」