「不倫!!? 何よそれ!!!」
「俺は――
お前の亭主だろ!!?」
"亭主"
「まだ言うかッッ!!! しつこいッッ!!!」
"亭主"
何故"亭主"?
「お前が言ったんじゃんか。
"如月芹霞"って…」
その…周りを意識したような得意げな顔に。
ぶちっ。
私の中で何かが切れた。
しかし。
私より早く、玲様が動き――
皿にあるおにぎりを鷲掴んで、煌の口に詰め込んだ。
ぐりぐりと手の平で押し込んだ。
容赦なく。
途端目を回す煌。
「煩い口だね…。
戯言ばかり言うんじゃないよ…」
鳶色の瞳は、冷酷な光を放ちながら細められていく。
煌の顔が、窒息感に真っ青になってきて。
手足をばたばた動かして。
そして玲様は。
長い足を振り上げ、煌の背中を思い切り蹴り上げ…
「ううっ、げほっげほっげほっ…
れ、玲…殺す気かよ…」
煌の口の詰め物を取り除いた。
ああ、いつもの玲様だ。
いつもよりも余裕ないみたいだけれど。
私は――嬉しくなった。

