「ゆ、由香ちゃん、壊すのは待って!!! 気持ちはよくよく判るけど、堪えて、お願いだッッッ!!!」


玲が、今にも床にパソコンを打ち付けようとした遠坂を必死に止めた。


「師匠、氷皇の代わりに殺らせてくれ!! 止めないでくれ!!!」


「由香ちゃん、駄目だッッ!!!」


「ボクはボクはッッ!!! 神聖なる0と1を使って、こんなプログラムをわざわざ打ち立てた人間を許せないッッ!!! これは0と1への冒涜だ!!!」


「由香ちゃん、本当に同感以外ないけど…ちょっとだけ待って!!!」



俺は…ただ引き攣ってそれを見ているだけで。


どちらに味方すればいいか、よく判らない。



とりあえず遠坂は、パソコンの破壊を諦めたようだが。



(蒼`◇)<濃厚氷━☆(゚■゚紫)ノ



顔文字とは…確かにストレートに心を伝えるな。



悪意。



氷皇の心が痛いほど伝わってきて、忌々しい。




(蒼`◇)<濃厚氷━☆(゚■゚紫)ノ



どう見ても…


"蒼"の言葉攻撃に…"紫"がやられている、図だ。





「ねえ、櫂。蒼が…氷皇だとしたら、紫は…紫堂。つまり…櫂や僕のことだよな?」



「ねえ紫堂。"濃厚氷"ってさ、氷皇としての、いつも以上の冷たく辛辣な言葉ってことだよね? それに紫堂達がやられているっている図…だよね?」



2人は俺に答えを求めてくるけれど。


何処からどう見ても。


「ゲームだなんだと言い出した氷皇は、既にこの時から…"必然"の一部として、組み込んでいたということだな」


完全な揶揄。