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「うあああああ!!!」



心臓に手を置いて、藻掻き苦しむ玲様。


あまりの苦しみ故に、全身から血を吹き出して。


まるでシャワーのように降り注ぐ血潮に、私は狼狽して動くことが出来ない。



「――桜」



私を恨んだような剣呑な顔を向けた玲様は、私に呪詛の言葉を放った。


「僕がこんな目にあうのは、全てお前のせいだ!!

赦さない、赦さないぞ、桜!!!」


ごめんなさい、玲様!!!


「どうして死よりも辛いものを僕に与えたんだ!!? これなら、いっそあの時、僕を見殺しにしてくれればよかっただろう!!?

あれの何倍の苦痛を、どうして僕が味あわないといけないんだ!!?」


ごめんなさい!!!


ごめんなさい!!!


「泣いて謝ればいいとでも思っているのか!!? 僕は赦さないよ、桜。お前を絶対赦さない。この苦しみ…お前も道連れだ!!!」


目から血を流した玲様が、瞬時に私の喉元を抑えつける。


「貰うよ、お前の…健康な心臓を…!!!」


そして玲様は私の胸を…手で抉った。


私の胸の中で、ぐりっと手が捻られた不快な感触。


途端、身を引き裂かれそうな激痛が襲った。



「あははははは!!!


いい気味だ、桜!!!」



笑う、玲様が笑う。


苦しみに絶叫する私を見て笑い、そして血に塗れた手にある…どくどくと動く私の内臓に、口づけを落とす。



「美味しそうな心臓だね。僕の身となってくれるかな?」


そして――


玲様は食べたんだ、私の目の前で、私の心臓を!!!