「お前もそう思っているだろ、玲? 


で、何処に"ある"?」


すると玲は、降参というように片手を上げて頷いてから、1つのコンセントから"たこ足"を引き抜いた。そして裏返しにすると、それを開けて俺に見せた後、中に埋め込まれていた小さい"それ"を指で握りつぶした。


「盗聴器、だね」


「はあああ!!?」


翠と共に芹霞と煌も驚いた声を出す。


「翠。お前はきっと…泳がせられ、結果的に俺に近付くように仕向けられたんだ」


「何でだよ!!?」


「恐らく…俺の動向を掴む為に」


「でもでもでも!! 別に俺はお前にべったりだったわけじゃないじゃないか!!! 何の為に皇城は…!!!」


「君を泳がしたのは…多分皇城ではないよ」


玲の声。


「恐らくそれは…」


玲も、俺もその先を言わなかった。


1つの可能性だった。


「1つ確認する。


周涅は、氷皇とそっくりなんだな?」


俺の問いに翠は深く頷いた。


「煌。お前を拉致したのも、氷皇そっくりだったんだな?」


「ああ、銀色氷皇だ」


煌も深く頷いた。



「全て、今回は氷皇が関係している。

そして俺と久涅の確執が具体化したのも氷皇の言葉。

氷皇の行動は必然。

ならば――


氷皇が今まで何を言い、何をさせたがっているのか。


それを掴めば、からくりが見えるはずだ」