「――櫂様。


実は桜は…木場公園にて、その凱という少年にやられました」


桜が目を動かしながら、申し訳なさそうにそう言い述べた。


「恐らく今…敵側にいるものかと」



「「何だって!!?」」



翠と七瀬が同時に声を上げた。


「あいつ、俺の仕事ほっぽって何してるんだよ!!?」


「何でそういう時に周涅がいないんだよ。凱は周涅の言うことなら聞くのに…。でもおかしいな、あいつらが周涅以外の支配を受けるなんて」


各々がぼやく。


「その周涅…というのは今何処に? 紫茉ちゃんのお兄さんだったよね?」


「最近家に帰ってこないんだ。何処で何をしているか判らない。皇城本家にいるとは思うけれど」


1つ可能性があるとすれば…


黄幡会とつるんでいる凱が周涅の言うことだけを聞くというのなら。


――あははは~、俺そっくりの銀サン銅サンか。


周涅は凱と共に、黄幡会側にいるとは考えられないか?


だとすれば。


皇城の中枢に周涅がいるというならば。


それは――


「皇城は――


紫堂と繋がっている」


俺はそう言った。