ああ。


煌にこんな思いをさせているのは、俺が至らないからだ。


俺がもっとしっかりしていれば。


久涅という存在の介入を許さずに、前もって対処出来ていれば。


後悔だけは山に溢れ返る。


全てに対し、俺の未熟さだけが悔やまれて仕方が無い。


「大丈夫、櫂?」


ああ、芹霞にも。


俺は無理させている。


気を遣わせている。


情けないな…。



俺は笑って見せて、思考を元に戻す。


一番大切なことを、考えないフリをする。


「では、学祭以降の消息が判っていないというのなら、その間に…何かあったということだな」


平静に。


平静に。


せめて俺を信じてきてくれた奴らの前では、俺はいつものままで。


『気高き獅子』でいよう。



嘆くのは――まだ早い。