シンデレラに玻璃の星冠をⅠ

 
それがあまりに神秘的で綺麗すぎて、思わず吸い込まれそうになった。


そして。

その肩にいるのは、小さな子供。


性別はどっちなのかよく判らねえけれど、同じように制裁者(アリス)の服を着ている。


子供の癖に、感情がないような…実に冷たい眼差しで俺らを見ている。


子連れか?



「マスター」


当主と上岐妙はそう呼んで、軽く頭を下げた。


何となく判った。


この男…此処の黄幡会の教祖じゃねえか?


制裁者(アリス)の服って、宗教用の服なのか?


紫堂の当主は、宗教にかぶれてんのか?


馬鹿な俺の頭では、何一つ確証を得られねえ。


櫂は目を細めて何かを考えている。



「しかしマスター。

これ以上、櫂を甘やかすわけには…」



甘やかすって何だよ?


親の情はねえのかよ!!?



「ならばこうしましょう、親父殿」


久涅が言った。


「ここから全員無事に逃げ出し、紫堂を敵に回して生き残っていられたのなら…次期当主は櫂に」


ぞくり、とした。


久涅の声は慈悲じゃねえ、確信に満ちた恫喝。


絶対に出来るわけがない、そんな響きがある。


その絶対的な自信…

何を――考えてやがる?