君の左の薬指についている赤い糸。


それは誰に繋がっているの?


君が"永遠"と"運命"を捧げた相手?


僕とは――

繋がっていないの?


僕は――

君にとってはただ過ぎ去る存在?


僕は――

赤い糸で留めておくことは出来ないの?

縛り付けておくことが出来ないの?


そんな存在だから…


"大切"に思ってくれないの?


僕は――


ただの他人なの?



――嫌だ。


そんなの嫌だ。



僕だけのことを考えてほしい。


僕だけを思い悩んで欲しい。



そう思ったのは事実。


例えそれで君を悲しませようとも、それでも僕を思ってくれるのであれば。


それでもいいかとも思った。




だけどね…


やはり辛いよ。



僕は、君に笑っていて欲しいから。


僕の隣で、ずっと笑って欲しいから。



僕にとって君は、凄く大切で。


櫂とは違った意味で、必要な存在で。



ああ、どちらも大事なんだ。



ごめんね、芹霞。


ごめんね。



こんな態度をとるしかなかった、僕を許して。



僕は本当に――…



君が好きだから…。



好きなんだよ…?