いつだって――
僕の心は君には届かない。
僕の叫びは消えてしまう。
僕だけがぐるぐると、同じ処を流離いながら、
そして君は、別の軌道で違う男に笑いかけているんだ。
他の男との思い出だけを
大切にするんだ――。
僕は何?
君にとって、僕は何?
お母さんなんて嫌だ。
お兄さんだって嫌だ。
僕を1人の"男"として見てよ。
僕に執着してよ。
僕なしで生きれない程、僕を必要としてよ。
いつまで僕は――
こんな辛い想いを抱えていないといけないの?
昔なら…諦められた。
すっぱりと、潔く。
辛いなら、辛く思わなければいい。
甘い夢を見なければいい。
夢を見たら最後、僕は望んでしまうから。
だけど、いつだって僕は望んできたんだ。
本当の"僕"を、孤独に喘ぐ"僕"を見つけて欲しいって。
欲しかったのは同情ではない。
ただ――
"僕"を見つけて欲しかっただけ。
僕の生きている意味を、
知りたかっただけ。
だけど、それは儚い望みだと思えばこそ、僕は流されることしかできなかった。
誰にも執着せず、誰からも好かれるように振る舞うしかできなかった。
結果――
僕はいつも1人で。
"運命"の相手を、ずっと待ち続けるだけで。

