そんな時にガラガラと教室の後ろのドアが開いて。
自警団の…白い制服の男女が堂々たる物腰で入ってきた。
「授業中なのに何を騒いでいる!!!」
荒げた声とは裏腹な、虚ろな顔。
男は怒鳴り、女は携帯を取り出して何かを操作している。
途端に生徒達は瞠目し、走るようにして自席について。
教室が再び静かになった。
つかつかつか。
まるで我が物顔のように、教室内を闊歩する音。
そしてこちらに歩いてきた。
「お前!!! この耳についているものは何だ!!?」
煌の横で男は言った。
「手を離せよ、おい。これはピアス、耳元で怒鳴る程珍しいもんでもねえだろ」
"不快"を露にした顔で、煌は睨みつけた。
「誕生日と名を述べよ!!!」
「あ!!? 何でんなこと言わねえといけないんだ!!?」
「何だその言葉遣い!!! 逆らう気なら…」
男は懐から何かを取り出して。
「我らに逆らうものには罰則(ペナルティー)を!!!」
まるで印鑑のようなものだった。
それを煌の手に押し付けようとしたが、煌は素早くそれを避けた。
「何を…する気だ、お前ら」
ピアスに手をかけようとした煌を俺は制する。
公衆の面前で、流石に刃物の顕現は不味いだろう。
「煌のピアスは理事長から許可とってある。だから問題ない」
とってはいないが、確認をとられたとしても、あの男なら何とかするだろう。
黒髪を贈ったのが自警団に対する対抗策だというのなら。
「この顔…一致した!!!」
女が携帯を見ながら声を上げた。
「しかし…皇城家次男より…特令が…」
それは…皇城翠のことだろうか。
男は依然、能面のような顔を煌に向け、そして背を向けて遠ざかる。

