「我ら自警団に逆らう気か? 誕生日と年齢、名を述べよ!!!」
誕生日?
「7月20日17歳、神崎芹霞!!! それが何よ!!?」
売り言葉に買い言葉状態で、威勢良くそう言うと、
「照合OK」
何やら携帯のような機械を取り出し、弄っていた白い制服の少女が頷き――
そして水戸黄門の印籠のように、それをあたしに見せた直後。
カシャリ。
「撮影OK」
シャッター音。
「人の許可なしに、勝手に写メをとるな、馬鹿者が!!!」
あたしは犯罪者か!!!
あたしの怒りはMAXで。
思わず学ラン男の胸倉掴んでそう叫ぶと、
「我らに逆らうものには罰則(ペナルティー)を!!!」
男が懐から、スタンプみたいな円筒状のものを取り出し、あたしの手にそれを押し付けようとした。
その時――
「芹霞、どけ!!」
突如紫茉ちゃんが、あたしを横に弾いた。
「我らに逆らうものには罰則(ペナルティー)を!!!」
今度は紫茉ちゃん向けられたスタンプ。
嫌な予感がして紫茉ちゃんを突き飛ばしたあたしの手首に、それが掠った。
再度スタンプを押し付けようとした男に、紫茉ちゃんが毅然と言った。
「7月7日生まれ17歳。七瀬紫茉。あたしに触れれば、皇城翠(コウジョウアキラ)が黙ってはないぞ!!?」
すると――
「照合OK」
制服女が、またもや携帯を見つめてそう言うと、男は静かに頷いて。
「失礼致した」
あくまで淡々と。
何事も無かったかのように、2人組は去っていく。
ポカン、だ。

