玲くんは…何かをポケットから出して、飲み込んでいた。
ニトロ…?
「弱っちいなあ、反吐が出る」
そんな酷い言葉を向けた先。
あたしは見たんだ。
ゆっくりと…顔を上げた煌の顔。
その目は――完全な真紅色だった。
そして――
「煌、あんた――!!!?」
歪んだ笑いを向けたんだ。
苦しむ玲くんを嘲るように。
桜ちゃんを踏みつけながら。
真紅色の――
邪眼で。
それはあたしにいつも見せていた、あの人懐っこいような笑顔ではなく。
何処までも…ああ、悍ましく!!!
――弱さ故に…自我を保てていればいいんだがな。
朱貴の声が蘇る。
まさか、
ねえまさか、煌!!!
これは…
この蛆もまさか――!!!
煌の目は何処までも邪悪な光に満ち、どこまでも冷たくて。
あたしは――
「煌――!!!!!」
力の限り叫んだ。
だけど反応がなく…
だからあたしは…
「BR――002…」
そう呟くと。
煌は――
いつも通りのあの笑顔を向けながら
夜空に消えたんだ。
蛆を…蚕を残して。

