何で、どうして?
ゴール目の前、もう少しで櫂が勝つのに!!!
何よ、これ!!?
どんな悪夢よ、これは!!!
異形の群れ。
力がないあたしでさえ感じ取れる、身体が凍りつくような邪気。
櫂達の言葉を借りれば…"瘴気"というものになるんだろう。
これは…
此の世にあってはならない、闇の生物だ。
それは皆櫂を追っている!!!
「ははははは!!!」
笑うのは、久涅。
小猿くんの首を地面に押さえつけた久涅。
久涅の力が――
小猿くんに勝ったんだ。
蛆と蝶が、あたし達を通過しようとした時、
突然久涅は飛んできて…あたしをがばりと抱き締めた。
同時に小猿くんは…朱貴の手の中で守られて。
暴れるあたしの前で、天と地より…異形の生物が移動する。
闇夜を切り裂くような…鮮やかな黄色と白色は、久涅と朱貴を避ける様にして櫂に向う。
"無効化"
その力の凄さを、まざまざと見せ付けられた。
「見ろ、小娘。あれらは櫂を捕らえる。
櫂ではあれらを払い除けられない!!!
――…俺の…勝ちだ!!」
勝ち誇ったような声が、耳元で聞こえる。
「違うッッッ!!!
最後に勝つのは…櫂だわッッッ!!!」
どんと久涅を突き飛ばしたが、すぐ腕をとられる。
目の前で、膨れ上がる白い塊。

