そんな時だ。
地面から響く、重厚な衝突音。
僕と櫂が音の方に振り返れば、
「な!!!?」
人が――
空から墜ちてきて。
「きゃああああああ!?」
芹霞の悲鳴。
白い制服姿の女達が次々と。
屋上だ。
あの男が居た屋上から、地面の1点目がけて少女達が墜落してきて。
重力故か、衝突故か。
地面にある姿は、最早人間の原形を留めておらず。
血色の…『肉の塊』を山に築いていく。
地面に拡がるのは、真紅に染まった大きな陥没。
それは凄惨な、真紅の光景。
思わずそこから顔を背けてしまった時、
芹霞の声が響き渡った。
「櫂、櫂、櫂!!!
どうしてあれ…
"鬼"の形をしているの!!?」
"鬼"!!?
僕と櫂は顔を見合わせた。
僕達は…何処をどうみても――
陥没の形に"鬼"などいう形容はつけられない。
そして――
「何の音だ!!?」
突如、キーンという高い音に聴覚を奪われ、僕達は両耳を押さえて顔を顰めた。
思考の一部が、この音によって削り取られていきそうだ。
「ふう…収まったか?」
音が鳴り止み、そして顔を上げた時。
「!!!?」
陥没の中心にあった、元少女達の肉体は消えていた。

