もしそうなのだとしたら、それは俺の器量ではない。
煌や玲や桜や芹霞や遠坂、そして七瀬の。
彼らの優しい想いが伝染しただけだ。
そしてその思いが、力となっているのだろう。
彼の真摯な…"必死"さは、血統に相応しい力を開花させるのだろう。
見事だと、天晴れだと…
思わせるに十分な…水の力。
「行って、勝負に勝てッッ!!!
ワンコを連れ帰せッッッ!!!!」
煌…。
懐かれたようだな。
本当にお前は、誰からも好かれる奴だ。
こみ上げる笑いが、俺の心を固くした。
この勝負――
俺は勝ってやる。
俺の大切な仲間の…心も身体も傷つけた報復は、必ずしてやる。
利用ばかりされて終わりになんてさせやしない。
その為には、縛られてばかりいる今の俺では不十分で。
今のままではお前達を、芹霞を…守りきれないんだ。
ああ…それは――
――約束、して欲しいんだ。
お前たちに言っていたっけな。
もうこれは、俺個人の問題ではない。
表層的なものではなく、深層に根付く"陰謀"を丸ごと、潰さないと…お前達も殺される。
そんなこと…させやしない。
だから俺は――
守る強さを得る為に俺は――。
――坊は、死なねばなりませぬ。
そして。
これは恐らく――
俺だけにしか出来ないこと。
ならば――
"それ"は華やかに。
絶対的な確信を抱かせるまで完璧に。
俺は――
切り札を決行する。
その為には――
――坊は、死なねばなりませぬ。
この場に緋狭さんは、必要なんだ。

